会長挨拶

第55回日本成人病(生活習慣病)学会開催に向けて

第55回日本成人病(生活習慣病)学会学術集会
会長 北山 丈二
自治医科大学 消化器一般移植外科・臨床研究センター

この度,新型コロナウイルス感染拡大により延期しておりました第55回日本成人病(生活習慣病)学会学術集会を、2022年1月15日(土)〜16日(日)に都市センターホテルにて開催する予定することに致しました。今年度の学術集会の開催延期に関しましては、「集会での感染を防ぐ」ことに加え、「臨床現場で連日奮闘されている多くの医療従事者の方々に負担をお掛けすることを避ける」ことを考えて決断させていただきましたが、関係の先生方には多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと心よりお詫び申し上げます。

今回の学会では、メインテーマを「生活習慣と健康寿命」として、生活習慣病の代表である虚血性心疾患、脳卒中、高血圧、糖尿病、脂質異常症に死因の第一位である「がん」を含めた多分野の先生方に参加していただき、生活習慣の関連するさまざまな病気に関して広い視点から議論していただき、その成果を健康寿命の延長にどう生かしていくか?についての指針が得られる事を期待しておりました。延期後の学術集会でも、この方針は継続したい考えておりますが、新型コロナウイルスが蔓延した今の時代においては、生活習慣病に対してもこれまでとは違った新たなアプローチが必要になるように思います。また、感染拡大時の医療体制等についても議論すべき事項が多々あるに違いありません。そこで、次回の学術学会のサブタイトルを "Stay gold beyond corona pandemic"とし、これらの観点も含めた有意義なプログラムになるように改めて準備を進めていきたいと考えております。

さて、全くの偶然でしょうが、このコロナ禍の中で、アニメ「鬼滅の刃」が社会現象ともいえる大ブームを巻き起こしました。物語にもあるように、人間はつらい事や苦しい事を乗り越えて人として成長します。私は、人間社会も同じではないか?と思っています。様々な困難に直面した時、それをどう乗り越えるか?を、みんなで懸命に考え、真摯に行動することで、次の時代、より良い社会へ成熟していくような気がします。私たちは、今、まさにそういう時代に立っているのではないでしょうか。未知のウイルスとの闘いはこれからも続きます。「戻れない、帰れない、広がった深い闇」でも「どんなに苦しくても、前へ、前へ進め」というフレーズに年甲斐もなく励まされている次第です。

学術集会の内容、プログラム等の詳細につきましては、正式に決定次第、ホームページ等にて順次お知らせいたします。ポストコロナ時代の初めての成人病(生活習慣病)学会に向けて、医局員と共に最善の準備を行うよう努力してまいりますので、引き続き、ご支援のほど何卒よろしくお願い申し上げます。