会長挨拶

第55回日本成人病(生活習慣病)学会開催に向けて

第55回日本成人病(生活習慣病)学会学術集会
会長 北山 丈二
自治医科大学 消化器一般移植外科・臨床研究センター

この度、第55回日本成人病(生活習慣病)学会学術集会を、2021年1月16日(土)〜17日(日)に都市センターホテルで開催させていただくことになりました。50年を超える長い歴史をもつ本学会を開催させていただくことは、本当に身に余る光栄であるとともに、大変な責任を感じております。諸先輩の先生方が良く使われていた「身の引き締まる」という思いが、初めて理解できたように感じています。

さて、今回の学会のメインテーマですが、「生活習慣と健康寿命」、サブタイトル "Staying Gold until the End of Life" とさせていただきました。健康寿命とは、自分の心身で生命を維持し、自立した生活ができる生存期間のことで、WHOでもHealthy life expectancy(HALE)、「病気やけがなどで完全な健康状態に満たない年数を考慮した『完全な健康状態 (full health)』で生活することが期待できる平均年数」と定義されています。私ども人間は「なんだかんだいっても」結局は「死」を迎えます。医学・医療が進歩することで、その時期はずいぶんと延長したわけですが、その分、寝たきりや認知症などで不完全な状態(non-full health)で、医療・介護に依存しなければいけない時間も延長し、それに伴う財政や人的資源などの社会的負担も増えてきました。今後、ますます高齢化社会が進む我が国において、健康寿命をどう伸ばしていくか?は大きな社会問題になってくると思われます。

健康寿命に最も影響を与えるのは、生活習慣であることは間違いありません。日本成人病(生活習慣病)学会では、虚血性心疾患、脳卒中、高血圧、糖尿病、高脂血症、などに加え、死因のトップである「がん」を含めた多分野の先生方が参加され、生活習慣の関連するさまざまな病(やまい)に関して多方面から多くの議論がなされてきました。それらの成果を健康寿命の延長にどう生かしていくか?を考えていくことが、今後の本学会の責務であるように思います。私自身は、壮年から熟年に至る時期からこの学会に参加させていただきましたが、いろいろな勉強をさせていただきました。自分の専門領域のみを追求するだけでなく、幅広い視点から謙虚な目で生命現象を診ていくことの重要性を教えていただいたのも本学会です。未だに浅学の身ではありますが、一人の医師としてその姿勢をずっと継続することで、より良い高齢化社会‐成熟社会(mature society)の実現に少しでも貢献できればと考え、本会長を引き受けさせていただいた次第です。サブタイトルは、ある意味、今後の自分自身に対するメーセッジなのかもしれません。

本学会は、各専門領域の最先端の医学的知識だけでなく、日常臨床や患者ケアにもすぐに役に立つ幅広い実用的知識が得られる学術集会です。是非、多くの開業医の先生方やメディカルスタッフの皆様にもご参加いただき、積極的にご発表いただければ幸いです。また、市民公開講座は、2021年1月24日(日)に自治医科大学臨床研修センター講堂で開催するとこといたしました。併せてご参加のほど、よろしくお願いいたします。

今年に入って降って湧いたようなコロナ禍に揺れる列島に、また、春が訪れようとしています。来年の本会では、「あんなこともあったね」と笑顔で振り返ることができることを心より祈念しております。